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GRN Wine ConsultantGRNワインコンサルタント 岩田渉氏

アンドリュー・ピース訪問記 vol.2

前回のジャイアント・ステップスへ訪問した翌日、同じヴィクトリア州に位置する、アンドリュー・ピースへ訪問して参りました。

アンドリュー・ピースはヴィクトリア州のGIスワン・ヒルにワイナリーを構える、家族経営の生産者です。

同じヴィクトリア州であっても、簡単には訪問できません。メルボルンから国内線でミルデュラ(Mildura)までプロペラ機で約一時間。そして空港に着いてからはワイナリーまで車で揺られて約2時間。同じヴィクトリア州にいながら、メルボルンからかなりの移動を必要とし、改めてオーストラリアの広大な土地を感じました。

まずはこのGIスワン・ヒルについて、軽い説明を。

オーストラリアでも珍しい二つの州のニュー・サウス・ウェールズとヴィクトリアにまたがるGIです。オーストラリア最長の川である、マレー川近辺に広がるGIであり、この川が運んだ堆積土壌や豊富な水資源のおかげで昔から様々な農作物が育てられてきたエリアであります。

我々がこのエリアに訪問した際も沢山の果樹園の他に、食用ブドウも沢山栽培されており、一面にその畑が広がった姿というのは、なかなか圧巻の姿で私も多くのワイン産地を巡って参りましたが、これほどの規模というのはかつて見たことがないほど、雄大でした。

そんな広大な土地で家族経営を続けるアンドリュー・ピース。1981年に当時国有地だった土地を購入し、ブドウ栽培を行ってきましたが、1995年よりワイン醸造に開始し、その規模は現在年間30,000トン以上にも及び、家族経営のワイナリーとしては、オーストラリアで最大規模を誇ります。

この規模がどれだけ凄いかと言いますと、例えば2017年、日本で使用されたワイン原料用国産生ブドウの受入数量が22,033トンでしたので、アンドリュー・ピースが一年で収穫する数量だけで、日本ワインの生ブドウの全量を超えてしまうのです。

またサステイナビリティに最大限の配慮をし、使用する水やソーラーパネルなどを設置するなど、持続可能な農法をいち早く取り入れているなど、オーストラリア国内でも数多くの評価を受けている生産者です。

造られるワインはどれもリーズナブルでフレンドリーな価格が多いのですが、品質も高く、品種の個性がどれも如実に感じられるワインばかりです。

オーストラリアにはこのような巨大な生産者が比較的多く見られますが、「それらの生産者と比べて、アンドリュー・ピースのワイナリーとしての特徴は何ですか?」と質問をした際に、「家族経営」という答えが返ってきました。家族経営だからこそ、これほどの規模の畑やワイナリーを構えながら、顧客や消費者のニーズ1つ1つに合わせて、迅速に行動に移すことができる、というものでした。

プライベート・ブランドのワインも手がけるワイナリーにとってこれは大きな利点であり、最大のアドバンテージでもあります。顧客の要望に合わせて速やかに、スタイルや味わいをチューニングすることができます。

プライベート・ブランドに興味がある、お話だけでも聞いてみたい、そういった方は是非、気軽に相談していただければと思います!

ワイナリーページ:アンドリュー・ピース(ヴィクトリア州 / スワン・ヒル)

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