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GRN Wine ConsultantGRNワインコンサルタント 岩田渉氏

ジャイアント・ステップス訪問記 vol.1

皆様、こんにちは。
GRNのワインコンサルタントとして務めております、ソムリエの岩田と申します。
今回は今年2月にGRNが扱うオーストラリアの生産者を訪問する機会に恵まれましたので、その訪問記を少しずつ書いていきたいと思います。

今年はオーストラリア国内では自然災害の恐怖に見舞われた年でした。
「山火事」という自然の脅威を改めて実感しました。時には「豊か」で、そして時には「厳しさ」を与える自然環境があるオーストラリア。
そこで絶え間ない努力のもとで、最高のワインを造り上げる、造り手の「パッション」に富むワインを少しずつ紹介させていただければと思います。

第一回の今回は、Yarra Valleyの造り手であります、「Giant Steps」の紹介をさせていただきます。
メルボルンから車で一時間ほど、南にある、ヴィクトリア州でも一番古いワイン産業の歴史を持ち合わせるYarra Valley内において
オーストラリア国内だけでなく、世界的にも評価が高い「Giant Steps」。

このワイナリーの歴史は実はそこまで古くはありません。
2002年に操業されたワイナリーでありますが、マーガレット・リバーで著名なワイナリーである「デヴィルズ・レアー」を立ち上げたフィル・セクストンと
2016年、オーストラリアの権威のあるワイン雑誌「オーストラリア・グルメトラベラー・ワイン」においてワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した
スティーブ・フラムスティードの二人の強力タッグによって生み出されました。

ワイナリー名の由来はモダンジャズのサックス奏者ジョン・コルトレーンが1960年にリリースしたアルバム「Giant Steps」から。
複雑に変化するコード進行とBPM240を超えるハイテンポの演奏は当時のモダン・ジャスから逸脱しているとして話題となりました。
コルトレーンのような時代を先行く存在になるという想いと、アップダウンのある曲調からヤラ・ヴァレーの起伏に富んだ地形をイメージしています。
まさに、このYarra Valleyという産地はアップダウンに富むエリアであり、その分様々なミクロ・クリマが存在します。

オーストラリア国内でも珍しい「ピノ・ノワール」「シャルドネ」といった冷涼産地で活躍するブドウ品種だけでなく、
「シラー」や「カベルネ・ソーヴィニョン」といった黒ブドウ品種からでも世界最高峰のワインが生まれているというエリアであります。
どれだけすごいのかと言いますと、フランスの「ブルゴーニュ」「ローヌ」そして「ボルドー」がこの小さなエリアにぎゅっと詰まっているというようなイメージでしょうか?
それほどこの産地の起伏が様々な異なる気候条件や土壌の多様性を生んでいると言えます。

さらに醸造家のスティーブは、それぞれの畑のテロワールを如実に表現することに注力しており、醸造においては好んで人為的介入をしようとはしません。
いわゆる「ハンズ・オフ(hands off)」というスタイルです。
ヴィンテージによってMLFが起こる年もあれば、ない年もあるというように、あくまでもその畑の味わいというのを純粋にワインで表現したいというフィロソフィーの元でワインを造っています。

現在新しいワイナリーも設立しており、将来的にはワイナリーレストランも建築するとか。
現在はYarra ValleyのHealesvilleという小さな町でカフェも経営しており、元料理人である、スティーブの才能が存分に堪能できる施設もあります。

ワインだけでなく、ワインツーリズムにも力を入れているワイナリーで、ぜひメルボルンに旅行などで行かれる際には、レンタカーを借りてふらっとセラードアにお邪魔するのもオススメです!!

各ワインの詳細につきましては以下のリンクをご参照ください!

ワイナリーページ:ジャイアント・ステップス(ヴィクトリア州 / ヤラ・ヴァレー)

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