徹底したキャノピーマネージメントを行い、肥料は一切使わず、地中3メートル以上伸びた根 (確認範囲)から吸収した栄養分のみでブドウを生育。 酵母は自然酵母のみを使用して発酵させています。
フランソワ・ミエ氏とプロフェッツ・ロック醸造長のポール・プジョル氏
ニュージーランド サウスアイランド セントラル・オタゴ
1999年に創業したプロフェッツ・ロックは、ベンディゴに2つのぶどう畑を所有しています。このぶどう畑は『ホーム・ヴィンヤード』、『ロッキー・ポイント・ヴィンヤード』の順に設立されました。
両方とも急峻な高地でそれぞれに特色があります。ホームヴィンヤードは片岩、粘土、石灰岩などを含む稀有なミックス土壌、ロッキーポイントは石ころがちな土壌です。
肥料は使用せず、地中3メートル以上伸びた根(確認範囲)から吸収した栄養分のみでブドウを生育し、凝縮感のある果実を得るため収穫量は抑えています。
収穫は全て手摘みで行われています。ピノ・グリとリースリングはゆっくりとやさしく全房プレスされ、長い時間をかけてと発酵を行い、約1年間オリと一緒に熟成したのちにボトリングされます。
ピノ・ノワールは果実の凝縮感を出すため、色素抽出を最小限に抑えています。発酵は天然酵母を用いて行っています。ワインは発酵槽での自然発生的なマロラクティック発酵を経て、さらなる熟成を行い、フィルターをかけずに重力にまかせた自然ろ過に5ヶ月かけています。
その品質の高さは世界で定評があり、ミシュランガイド全世界版において、トップ50のレストラン中、15以上のレストランがプロフェッツ・ロックワインを採用しています。
醸造家ポール・プジョル:
フランス人の血を引くニュージーランド人。世界各国の有名ワイナリーで醸造に携わった後、最終的にはここに辿り着きました。英国の著名評論家ジャンシス・ロビンソンによると、いずれ世界のワイン界をリードするだろうをいう逸材ワインメーカー5人の内の1人と評価されています。
マールボロのSeresin Estateで醸造家としてのキャリアをスタートさせた後、ラングドック、サンセール(Henri Bourgeois)、アルザス(Maison Kuentz-Bas)と渡り経験を磨きました。Maison Kuentz-Basでは醸造長を務めており、1795年創業以来、同族以外で醸造長を務めたのはポールが初めてです。その後、オレゴンのオーガニックワインの造り手Lemelson Vinyardsで2年務め、造ったワイン12本中8本がワインスペクテイターで90点以上を獲得しています。
2005年よりプロフェッツ・ロックで醸造長を務める傍ら、2006年にはオレゴンを代表する生産者Rex Hillに醸造コンサルタントとして招かれピノ・ノワールとピノ・グリの特別キュヴェを手がけました。また、ブルゴーニュのDomaine Comte Georges de Vogueでは2009年ヴィンテージを手がけ、醸造長のフランソワ・ミエとはこれをきっかけに親交を深めています。
ぶどう畑:
ホーム・ヴィンヤード
ベンディゴ・ヴィンヤードは北向きのテラスになっており、ベンディゴ全体を一望できる場所に位置しています。高地ゆえに、クロムウェル盆地を流れる川や、かつて存在した氷河に形作られたピサレンジの山々がぶどうの樹々の向こうに見えます。
標高320~383メートルの急斜面の畑は、日当たりがよい一方で夜間は冷涼になるため、ワインはフレッシュで凝縮された味わいに仕上がります。シスト質、石英質、粘土質が混ざり合った土壌に、地下1メートルの場所は石灰岩の土壌となっています。アルカリ性の石灰岩の土壌はブドウの栄養素の吸収に影響をし、粘土質の土壌は水分を保持します。乾燥した冷涼な気候のため、ピノ・ノワールの栽培に理想的です。
ロッキー・ポイント・ヴィンヤード
ベンディゴの南端、標高226~351メートルに位置するロッキー・ポイント・ヴィンヤードは石ころがちな土壌で、セントラル・オタゴの生産区画の中では最も険しい場所のうちの一つです。ぶどう樹の間を歩いてみると、眼下のダンスタン湖の青い水の中に畑ごと落ちていってしまいそうなくらいに険しい畑です。
険しいロッキー・ポイント・ヴィンヤードの斜面は日光をさえぎる一方、でこぼこの地面(砕けた片岩が散りばめられた石ころがちな土壌で水捌けが良い)は熱を蓄え、日没後の温度が下がったあとも一晩中放熱します。そのため果実がよく育ち、比較的早く成熟します。セントラル・オタゴのような生産性に乏しい気候では重要なことです。ロッキー・ポイント・ヴィンヤードのやせた土壌では、ぶどうが成長するには厳しい環境ですが、悪戦苦闘することによって凝縮感のある深く芳醇な果実ができあがります。
フランソワ・ミエ氏とのコラボレーション:
2015年より、ブルゴーニュのシャンボル・ミュジニーを代表するドメーヌの醸造責任者フランソワ・ミエ氏と共同でワイン造りを行っています。
この特別なコラボワインは、「地球の反対側にある2つの地点」という意味の「Antipodes」という名でリリースされました。フランソワ・ミエ氏がブルゴーニュ以外の場所でワインを造ることが初めてということもあり、世界的な注目の的となっています。
Top Wineries of New Zealand 2020 - The Real Review